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生きてる実感が希薄な現代人。

利便性、快適性を追求する
現代の物質文明社会。

究極のオール・イン・ワン・システムであるスマホ。
スマホに限らず、絶対的存在を感じるものは、
オール・イン・ワン的な存在だ。

そういう意味では、スマホは神のようだ。
なんでも入っていて完璧な存在。

エネルギーは無限で、
できないことは何もないかのような存在。

しかし、だ。
神のようではあるけど、スマホは神ではない。

それに埋め込まれたボタンに
魂を占領され、餌食となる。

そして、今日も、
歩きスマホで横断歩道を渡る姿に、
危機感を覚えずにいられない。

ワンクリックで奴隷化するシステムに
完全に包囲されてしまった。

ボタンを押すか、押さないかの選択は、
恐怖という、悪魔の定番手法で煽られる中で行われる。

ミイラ取りがミイラと化す瞬間。

失敗するかもしれないという恐怖。
傷ついたら嫌だなという恐怖。
完璧にできなかったらどうしようという恐怖。

人間には誰にでも
この3つの恐怖があることを知っていて、
ずる賢くそこを突いてくるのだ。

恥をかき、損をするかもしれないという、
エゴ丸出しの自分が、そこにいる。

A か B か。ではない。

人が罠にはまってしまう現場には、
A でも B でもない、という選択肢や、
A でもあり B でもある、という選択肢が、
なぜか欠落しているという不思議。

そして巧妙な誘導尋問の数々。
人を陥れる罠にかかってはいけない。

現代の騙しのテクニックは
枚挙に暇がない。

しかし、騙されているあなたの方に
真の原因、理由が存在する。

実践を伴わない知識。

他人の考えや思想を平気でコピペして
それをまた別の誰かが考えもせずにコピペする。

そうやって
本当の自分から、どんどん分離していく、
迷える現代人。

情報の即時性、膨大な情報量に、四六時中晒され、
我々の神経は知らぬ間に感覚が麻痺し、
ついに萎えてしまった。

我々の真の人間としての幸福感、
生きている実感、生き甲斐を感じさせるものは
一体どこに消えてしまったのか?

まるで厚化粧のように
分厚い化けの皮を被らされ、
既に、全くと言って良いほど、見えなくされている。

まやかしや刹那的快楽に没入するエゴを
巧みにコントロールする何者かによって、
魂を乗っ取られ、奪われてしまった現代人。

現代人は、溢れたものに支配されながら生きている。

魂の喪失がもたらした現象、
新たなる現代病の根は深い。

同時に失った
かけがえのないものの一つが、
「希求心」だ。

人間とは?
自分とは?
生きるとは?

人が、人として生まれてきた、
他の生物との一線を画す本質。

人の魂が順調に成長していく為に、
避けては通れない究極の命題だ。

土の匂いが全くしてこない。

コンクリートで固められた道路は、
最先端ITテクノロジー満載のクルマで溢れかえっている。

同じ路上を、
歩きスマホの若者が歩いている、そんな社会。

超高層なマンションが林立する都市空間で
これから何が生まれてくるのだろうか?

自分の足で歩き、本音で生きる。

あなたが手にし、知ったことは
あなたにとって真実なことか?

その誰かの信念、社会の常識は、
疑わずに、考えずに、信じてよいものか?

自分の頭で考え、哲学する必要がある。

麻酔に酔いしれている場合ではない。
あなたを迷わせるだけの
恐るべき現代の罠。

もういい加減、目を覚まし、
本当の自分の魂が喜ぶことだけを
選択しないとダメだ。

最高峰の自由を駆使する権利を忘れてないか?

人間であれば
誰にでも与えられた
最高峰の自由とは、

いつも常に、
どんな状況に置かれても、

自分にとって最良のものだけを選択し、
最良のものだけを受け取る自由のことだ。

哲学思想も、
行為行動も、
飲食物も。

関わる人間も、
日々を暮らす環境も。
そして、習慣も。

自分を、
常に、人生で最高に豊かな状態に置きたいのなら、
その、最高峰の自由を行使する権利が、自分にもあるということを
片時も忘れずに意識していることが大事だ。

自分にとって最良のもの以外は、
最終的に、断固として拒否する、
その強い意志を貫くことだ。

そういうものに断固として拒否できる、
そういうあなたでなくてはダメだ。

いかなる状況や環境にあっても、
その強い意志で、
自分の態度を決めることだ。

あなたが認めない限り、
誰もあなたを傷つけることは、できない。

変化を嫌がらない生き方。

変化こそ成長の本質。

世界の成長は、あなたが死んだ後まで続くのだ。
成長は永遠に続く。

成長とは変化であり、
変化を止めることはできない。

今が良いからといって、
その良い状態をずっと維持したくても、
変化は容赦ない。

変化の世界にありながら、
自分だけは変化したくない。

何という矛盾であり、無理難題なのか。

変化が常態である宇宙と戦って、相撲を取るつもりか?
あなたに分が悪いのは目に見えている。

あなたの成長を止めてしまうものは何か?

自分を否定せず、
まずは素直に受け入れよう。

何かを為そうとするとき、
どうせ思い込むのなら、
できる、きっとできる、そう思い込むようにしよう。

あなたが人生に期待し、
あなたが人生から見つけ出そうとしない限り、
何も見つからない。

あなたが希求せずして
人生があなたに何かを
自動的に与えたりはしない。

何かを知りたいと思ったら、、、

行動するしかない。
実践するしかない。

手に入れてみたいものは、
全て自分次第だ。

環境に圧倒されて
最高峰の自由を行使する権利を
手放してはいけない。

自分を信頼して
自分を信じ、信じ切って、
自分の足で歩くのを止めてはいけない。

あなたを、
あなたにとって最良の幸福の状態から遠ざけている、
その張本人は、一体、誰なんだ?

その正体は、
実は、あなたしかいない。

その、あなたの思いこそが、あなた自身だ。

あなたにとっての、全ての結果に、
あなたの思いが作用する。

その、あなたの思いこそが、
原因となって、結果を招く。

まさしく、あなたの思いはエネルギーそのものだ。
唯物ではなく、観念という思いが、
全ての結果を招くということ。

量子力学の世界で証明されていることだ。

自分を導いてくれる、
そういう心の声が聞こえてこないか?

その、心の声を無視してはいけない。

その声に従うことが、
素直になって生きるということだ。

人生に起こる困難は
避けるために起こるのではなく、
乗り越えて成長するために起きている。

あなたはいつも、試されている。

『逆境は尊い。
しかしまた、順境も尊い。
要は、逆境であれ、順境であれ、
その与えられた境涯に素直に生きることである。
謙虚の心を忘れぬことである。
素直さを失った時、
逆境は卑屈を生み、
順境は自惚れを生む。』

松下幸之助

(「道を開く」より)